弓道考察モノローグ

合い言葉は肩甲骨

「弓道読本」を読む(2)

生理より見た射形の実態(p.22-p.27)

正整した骨格と均等に開いた上肢の静的均衡をもって基調根本体形とする

これはつまり,弓を持たない自然体の状態で背骨を真っ直ぐ伸ばして,両腕を均等に左右に開いて両肩(肩甲骨)を背面下方に引き締めた,弓力も受けていない骨格こそが自然体であり,これを基本とするということだ.
筋骨の運動は随意運動によって動かすことができるので,ベースとしてこの均衡バランスが取れた状態をできるようになることが重要だと述べている.

二本の線(p.27-p.30)

弓射は縦の線一本と横の線一本の二本の線の伸長でしかない

前の章で述べた均衡の取れた基本姿勢とはつまり縦横十文字の規矩であるということを述べている.
特に横の線は昔の射法のように馬手と弓手のバランスが異るものではなく,左右の筋骨が整い一本に伸長する自然体の射法であるべきだということを強調している. これと縦に伸びる脊柱の線が交わることが縦横十文字の規矩であり,この二本の線の完成に集約されなければならないと述べている.

自然体と十文字の伸び(p.30-p.33)

弓射には的という目標がある以上,射形の美ばかりでは意味がない

縦横十文字の規矩だけでは十分とは言えず,それに加えて自然体で正しく天地左右に伸合った結果として着いているところに飛んでくれると述べている. .
この伸合いを得るためには,体全体の自由を生かされるような取り懸け方と手の内(著者が考案した鉤の手の内など)が重要であると強調している.
この章から具体的に縦線の伸ばし方と体の横の線の使い方について示しているが,これ以上はこの書籍の本質的な内容になるため実際に書籍を購入するか,図書館などで借りて読んでいただくようにお願いいたします.

ここまでのまとめ

著者が伝えたいことは体に歪みのない状態で縦横に伸び合うことこそが自然体の射法であり,現代弓道で目指すべきものだと私は感じた.
かなり内容を端折っているが実際にはレントゲン写真などを交えてとても詳しく自然体の射法について解説している.
また,現代の全日本弓道連盟弓道教本に準拠しており,教本からたどり着くであろう具体的な一般解の一つを提示していると個人的に感じた.

一章からここまで読んでみて研究の内容は全て弓道教本に忠実であり,文量は多いがとても詳細に説明されているのでとても参考になると思います.