弓道考察モノローグ

合い言葉は肩甲骨

弓道の徒手のポイント

そろそろ部活に入って本格的に練習を始める頃ですね。

弓道はどうしても的前で実際に引くまでに徒手やゴム弓、巻藁前など様々なことを乗り越えなくてはいけません。

 

今回は初めて弓道をする人がなにを意識して徒手の練習をするといいのかまとめました。

 

そしてまずなにを知識ベースにすれば良いのか、それは弓道教本第一巻です。

弓道教本は現代の弓道において原則となるものなので必ず手元においておきましょう。

 

-----目次-----

1.徒手練の意義

2.徒手練のポイント

  • なにを見ているのか
  • 技術的なポイント

3.知識ベースの強化

--------------

 

 

1.徒手練の意義

弓道では競技に多大な危険性を含んでいるため的前で実際に弓矢を扱えるようになるまでそれ相当の時間を必要とします。

特に和弓の場合はある程度扱い方を覚えていても矢は大きく右の方へ飛んでいってしまうため、その制御方法の習得という点においても時間を必要とするのは言うまでもありません。

 

まず弓道初学者が習う基本的な手順を説明すると、

  1. 弓道教本により射法八節を覚える
  2. 徒手射法八節の動作を練習する
  3. ゴミ弓を持った状態で射法八節を練習する
  4. 素引き(肩入れ)の練習をする
  5. かけ引き、手の内の練習をする
  6. 巻藁前で練習をする
  7. 的前練習

の以上となります。

どの段階で素引きや手の内の練習が入るかは学校や指導者によって異なりますが基本は以上の流れです。

 

徒手練習は2つ目の項目にあるように、実際に動作を覚える練習では的前練習の第一歩となるものです。

徒手練の意義とは弓やゴム弓のような負荷のない状態で射法八節をきちんと体現できるかの練習であり、負荷をかけてもその動きが出来るような動作を練習するための時間です。

特に大切なのはただきれいに射法八節徒手でできることではなく、実際に負荷をかけても出来るかという点にあると私は考えています。

というのもすぐ次にはゴム弓の練習があり、徒手ではできていたことがゴム弓を持った途端できなくなるということが起きるからです。

 

弓道では何かがうまく行かなかった場合は一つ前の手順でもできるか確認することが大切なのではないかと私は考えており、極端に言ってしまえば "徒手でできないことは的前でもできない" と言うことです。

例えば引分けで肩が上がってしまうということは一つ前の打起しでなにか良くないとり方をしている、と言ったように全ての動作を戻りながら完璧にしていくことが演繹的に射の上達につながると私は考えています。

そしてそれは初心者でも高段者でも変わらないことだと思います。

 

 

2.徒手練のポイント

この項目からは、実際に引くときのポイントを交えて徒手の段階でなにを意識すればよいのかということにフォーカスして徒手練を考察していきたいと思います。

 

  • なにを見ているか

真意は後述するとして基本的に指導する側が見ているものの一つは関節の高さです。

射法八節全体を通しての両肩、両肘、両拳の高さがきちんとした高さの軌道にあれば先ずは徒手としての及第点を取るための必要条件を満たします。

特に両拳は重視され、その他両肩、両肘ともに残心以外の射法八節の全ての動作において同じ高さになるように意識しましょう。

 

次に見ているものは射法八節全体を通してのペースです。

息づいかいとも弓道では言われますが、徒手の段階でこのペースがある程度確立しなければゴム弓を持った状態でただ引っ張る動作になってしまいその後のステップに上げることが難しくなります。

ペースは早すぎず遅すぎず、深呼吸をするペースで射法八節の一つの動作を行うのが良い塩梅だと思います。

ただ、会だけは別で細く長くもう一息5秒ほど保持するのが良い息遣いな気がします。

 

もう一つ見ていることは全体のバランスです。

曖昧な記述ですがバランスというのは息づいかいや身体使い、全般に言えることで人それぞれに違うバランスが存在するためこれは一概には言えません。

意識するとすれば三重十文字を意識することでしょう。

三重十文字とは両足を結ぶ線、腰をなす線と肩線が横から見た際に地面に垂直に並び、かつ上から3つの線が常に重なるようにすることです。詳しくは教本を読みましょう。

そして重心を腰骨の中心に集めるようにすることがバランスを取るということに近い気がします。これを丹田に気を収めるといいます。

 

ですが、はじめのうちは難しいのでまずは肩線、腰の線、足の線が常に平行になるようにすると良いでしょう。

 

  • 技術的なポイント

射法八節全体を通して徒手の段階で意識すると良いポイントがあります。

それは "親指の向き" です。

親指は打起し以降は足踏み、肩線と平行に的方向へと向きます。

これは実際に弓を握り、ゆがけをつけなければわからない事ですがこのイメージはとても大切です。

弓を握った時は簡単にイメージできますが、ゆがけの親指が木の筒で覆われて硬く出来ていることは後々知ることになり、ゴム弓や巻藁前にステップが上がるごとに動作が変化するのは案外やりにくいものがあります。

ゆがけの帽子(木の筒)を意識して、大三以降は肘から親指の先までをピンと伸ばして常に的の方向に向くことを意識すると良いでしょう。

 

これはもちろん会の時もです。

会のときは弓手はしっかりと親指が的方向へ向いているのに馬手がどこか知らない方向を指していることが多いです。

会のときは馬手の拳が肩の真上に来るように意識をして、人差し指を伸ばしたときに自分の右耳の耳たぶを触れるくらいの形が基準になると自分は考えています。

 

その他コツのようなものはたくさんありますが、まずは指導者の指示に従う事

そして弓道教本第一巻を隅から隅までよく読むこと徒手の最大のポイントだと言えます。

 

 

  • 知識ベースの強化

弓道は先程も言ったとおり演繹的な理論の上に成り立つスポーツであり、ある大前提の理論の上にさらに次々と沢山の理論が乗ってきます。

この理論は競技のルールとは異なり、この理論を無視した途端に全ての動作が崩壊してうまくいかなくなることは言うまでもありません。

また弓道は他のスポーツよりもその制約理論が多く、実際にその前提に従っていればほとんど同じ動きをみんなが出来るようにできています。逆に言えば、前提条件に従っている限りはどんな動作をしようとも自由です。

そしてこのブログのように理論に関しても様々な解釈をする人がたくさんいます。

そういった様々な解釈を知識のベースにおいておくことで、自分の弓道の理論というものを確立するための手助けになります。

素晴らしいことに世の中には長年研究されてきた弓道家の理論が体系的にまとめられた本が沢山売っています。

弓道教本は最低限の前提条件のみが記述されているだけなので、弓道家のハウツー本である程度まとまった知識を吸収することが上達の要だと私は考えています。

しかし知識が偏りすぎるのも良くはなく、まず大切なことは指導者に従う事です。

指導者の言うことを理解して実践するために知識を吸収するのが一番良いモチベーションのような気がします。