弓道考察モノローグ

合い言葉は肩甲骨

弓道と骨折、腱についての考察

2017年の9月に小指の基節骨、第三関節側を骨折した時の話とその後の経過についての話。

今回の記事はもし弓道をやっている人が指を骨折した際にその後どうなるのかという一つの経験談として残そうと思います。

また、私は医療に関しては素人ですので情報は鵜呑みにせず読んでください。

 

今回の記事は私が骨折してまた弓が引けるようになるか心配で同じような経験をした人の話が聞きたかったため、もし同じような境遇の人がいれば参考になればと思い書きました。

 

また骨折の治癒に関する調べた知識をまとめておくのと、弓道において重要な腱の働きについてより深く考察ができたためそのメモ書きの意味も込めてこの記事を残します。

なので身体の働きについて参考になることが少しでもあるかもしれませんので、怪我と関係のない方も興味があれば最後まで読んでみてください。

 

現在、骨折から5ヶ月が経ちましたが普通に弓は引けるようになりました。

ただリハビリをしても可動域の制限が後遺症のようにありますが生活や運動においては全く支障などは感じません。

 

  • 概要

9月上旬頃に自転車で転倒して、左手をついて左手小指の基節骨を骨折。

 

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※なぜか痛みはほぼ無かった

 二日後に腕だけの局所麻酔で日帰り手術を受ける。髄内釘(エンダー釘)という針金を骨に入れて固定。

 

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 ここから四週間、固定して10月上旬頃に抜釘。

 

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 ※抜釘直後の写真 

さらにここから二週間、骨の成長のためにあて金と包帯で固定。この二週間の間は小指は自由に動かしてはいけないと言われていた。

 

10月下旬頃、包帯などすべて外されてリハビリがスタート。

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 ※包帯などすべて外せたがこれ以上自力で指は曲げられない。無理やり曲げてもほんの少しだけ曲がるが、それ以上は激痛を伴う。

 

リハビリは主に拘縮(腱や関節が固まっていること)をほぐすことを重視。

 

11月中旬頃、弓道四段の審査を受審するも一手残念で不合格。

そもそも小指を自力で締められず、中指と薬指だけで手の内を形成していた。

ちなみに小指に接着剤をつけて審査を受けるか直前まで悩んでいた笑

 

リハビリを一ヶ月ほど受けてあとはあなた次第ですと言われ、病院の関わる治療は終了して今に至ります。

 

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※現在の状態。機能制限はあるがものを掴んだり不自由はほぼ感じない。 

 

やはり可動域制限はあるが、手の内を作るにはほぼ影響はないと思われる(?)

 

ーーーー追記(2018/5/9)ーーーー

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可動制限をほぼ感じないほどに回復し、手の内も今までどおり作れるようになった。

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  • 骨折の治癒法について

骨折の治療法は大きく分けて3つあるらしい。

  1. 石膏による外部からの固定
  2. エンダー釘(骨髄に通す金属)による内部からの固定
  3. プレートを用いた固定

主に小規模な骨折ならば石膏で固定、鎖骨などの大きく負荷のかかりやすいものにはプレートが用いられることが多く、それ以外は髄内釘を用いるらしい。

石膏は細菌などが入らないが損傷が激しい場合不安定になってしまうため金属で固定するらしい。

 

  • 骨の形成について

もし骨折が起きた際は骨の破損箇所の間で出血が起きる。

骨髄内で起きた出血で血は凝固して血腫というものになる。

血腫はやがて線維組織や軟骨組織というものに変化して、多孔質になっていく。

これらを総称して仮骨と言うらしい。

仮骨は時間経過とともに本来の骨のような状態へと戻ってゆく。

 担当の医師によればもとのように成長した骨はほぼ折れる前と同じ強度まで戻るらしい。

人体ってすごい。

 

どうやら髄内釘で固定していた最初の四週間で繊維組織や軟骨組織などの仮骨へ成長していたらしい。

仮骨となれば針金を抜いてもほぼ自分の指のような状態だったが、強度がまだ弱いため運動などは禁止されていた。

 

仮骨が増えて落ち着く頃に以前から申し込んでいた昇段審査があったため、医師の許可もあったためもったいない精神で受審に至りました。

 

  • リハビリについて

なぜ骨がくっついたのにリハビリが必要なのか?

正直はじめは骨がくっつけば指は動くと思っていました。せいぜい筋力が落ちただけだろうなと言うような。

 

実際には関節などを動かさなくなったため拘縮と言って骨に関節や腱が癒着する現象が起きてしまっています。

さらに小指に長い間針金が入っており、負荷をかけれないために左手を動かす際には脳が小指をかばうような動き覚えてしまっています。

それらをリセットして動作をまたプログラムするためのトレーニングがリハビリでした。

 

実際にリハビリと称して行っていたのはこの骨に癒着した関節や腱を剥離させるものでそれなりに痛みが伴うものでしたが、その痛みを超えてやっと今の範囲まで曲げられるようになったと思います。

 

  • 骨折から再認識した弓道における腱と伸び合いの関係

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※イラストは横から見た指の動き

 

指など人体の動作は屈筋や伸筋が伸び縮みして起きています。

今回の骨折ではこの腱が癒着して動作不良を起こしてしまったため、もとの状態に近づけるためにはこの癒着の開放と動作の時に伸筋をリラックスさせる練習が必要でした。

 

リハビリを始めた頃は頭では指を伸ばそうとするのですが、なぜか指が曲がるなどの現象が起きていました。

伸筋が癒着して屈筋のみが働いたのか、脳が勘違いして伸ばす命令で小指をかばうように曲げたのかはわかりませんがとにかくこの意識と動作のズレを縮めるトレーニングがやや難航しました。

幸か不幸か、それはほぼ弓道の練習と同じだったのでとにかく意識と一緒にむりやり曲げて動作を一致させると言うようなリハビリで割とすぐに良くなりましたが。

 

この伸筋がなぜ大事かと言うのがここでの話です。

 

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 なぜかと言うと、伸筋や屈筋は二の腕付近まですべて連動しているからです。

手首を掴みながら掴まれている方の手を開いたり閉じたりすると分かると思いますが、腕が太くなったりして腱が連動しているのを感じると思います。

前ならえとグーの状態で前方に腕を伸ばすのはその伸び方と腕の筋の緊張が異なります。

 

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※ただし、実際は運動の補助的な意味で局所的にこのような筋肉は存在します。

上の図のように腕や指は独立した筋肉でロボットのステッピングモータのように動いてるわけではありません。

 

そのため腕を伸ばすという運動にはこの腱がリラックスして伸びている必要があります。

より具体的に馬手側で考えるならば、親指は肘から直線になりそれ以外の指は肘から第二関節までが直線になるようにしていれば無理なく自然にかつ合理的に伸ばすことが可能です。

弓道読本ではそのことにも触れており、唐沢先生は鈎の手の内と言うものを考案されています。

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※イメージ

 

また弓手側も人差し指と親指はしっかり真っ直ぐ的の方へ伸びて、残りの3本の指は肘から第三関節までをしっかり伸ばす事が伸筋を伸ばして無理なく弓手を伸ばし続けるために重要だと考えました。

 

もしこの腱の束縛を無視するならば手を握り込むことになり、両腕に力こぶが発生して肘の伸び合いとは程遠いものになるのではないでしょうか。

 

 

以上で腱についての考察を終わります。

 

 

 

今回骨折について書きましたが、怪我をしないのが一番です。

健康体で弓を引けるというのは本当に幸せなことです。

どなた様も怪我にはお気をつけください。

 

関連 : http://kyudo-monologue.hatenablog.jp/entry/2018/03/29/015842