弓道考察モノローグ

合い言葉は肩甲骨

弓道の十文字と三角関数

今回の説明ではsin,cos,tanなど三角関数を説明に使います。

しかし、そこでこの邪悪な文字列に決して苦手意識を持たず最後までお付き合いください。

 

三角関数を実生活で使うことが無いと思っている方はおそらく最初で最後の三角関数の活躍の場です。温かく見守っていただけたら嬉しいです。

 

それでは始めましょう。

 

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引用【http://hooktail.sub.jp/mathInPhys/triratio/

いきなりですが、三角関数の登場です。

しかし朗報、今回使用するのはsinとcosだけです。

sinとはつまるところ対辺を斜辺で割った値、cosとは底辺を斜辺で割った値です。

 

苦手な方はその数値そのものを丸暗記された方もいると思います。

しかし今回は数値は全く考えず、その考え方を弓道と照らし合わせて行こうと言うのがポイントです。

 

今回の図の場合では、角度の変数はxでありsin,cosの値はこの角度に左右されます。

 

ここで一つ例を出すと、矢が初速vで地面から角度φの方向に発せられた場合何秒後に地面にどもってくるでしょうか?といった問題を考察します。

 

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引用【http://hooktail.sub.jp/mathInPhys/triratio/

 

この場合ですと求める時間は地面から離れて重力加速度という地球の引力で引き戻されるまでの時間に依存しますのでまずは初速vを横方向と縦方向に分解します。

 

上方向への速度は初速vにsinφをかけた値で表されます。

なぜならvは斜辺に相当し、上方向への速度は対辺に相当するのですから。

そして横方向への速度はvcosφで表わされるのはもう大丈夫ですね。

 

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引用【http://hooktail.sub.jp/mathInPhys/triratio/

 

これ以上計算を進めて本当に時間を求めていては拒否反応が増えるかもしれませんね。

やめておきましょう、、、

 

今日はこの一つの速度を縦と横方向の値に分解したことが分かれば三角関数とはおさらばです。

 

この斜め方向の力を縦横方向に分解するという物理学の計算で用いられる手順が、弓道における十文字(縦と横)という概念に相当するというのが今回のメインテーマです。

 

弓道で十文字と言われたらなにが思いつきますか?

・三重十文字

・五重十文字

・懸口十文字

などなど、、、 

様々な〇〇十文字が弓道には存在しますね。

 

これは憶測ですが、古代より行われてきた弓術では物理学という学問さえなかったもののこの縦横で力の関係を分解して考えるということがしっかりと理論として確立していたのではないでしょうか。

 

古くからある日置流の流派では特に十文字を意識した手の内の名称や教えが多くあるように思われます。

正面打起しは比較的近代に発展した引き方ですが、それでも前身である弓術からそのノウハウは受け継がれているはずですし、私はそういった知識をもっと科学的観点から補完しながらより新しい弓道を発展させて行くのが現在弓道に関わる人の責務とさえ考えます。

もちろん弓道読本の著者唐沢先生は数十年前からそのことを指摘しておられますし、養心弓道場の著者もホームページ内でそのことに言及しています。

 

今回はあえて具体例を上げず、思考法のヒントになればという思いでこの記事を書きました。

 

端的にまとめると教本のイラストをよく見て、自分の射もよく見て、どの方向からも縦と横の方向にきれいに力が分離出来るような90度の角度と平行の線で構成されたような射型を作り上げることこそ、無駄な力を使わない理想的な射なのではないでしょうか。

 

参考ホームページ:

 http://s.webry.info/sp/42875218.at.webry.info/201112/article_10.html

 参考書籍:

「新・物理入門」

弓道読本」

弓道指導の理論と実際」